正確に言葉覚えるの苦手なんだよな

と言うジョージの気持ちがわかりました。下手に本が好きな所為か*1、セリフがあやふやなシーンをそれっぽいセリフを創作して脳内補完してしまう機能がついてるようです、あたしの頭。
それを踏まえて、許せる方のみ、以下よりがんばってみた台本起こし。長いよ。

◎ 注意事項

・前述の通り、堂々と嘘を吐いています(が、自分も騙されててどこが嘘だかわかりません…)(わからないところがわかってる箇所には下線付き)
・セリフの応酬のところは結構ごっそり抜け落ちてます(が、抜け落ちてても気づいてません…)
・ト書きなし、セリフのみをだらーっと(なので、観劇してない方には何が何やらかとw)
・アドリブだと思われるところは割愛。公演を重ねるごとにアレンジが入ったセリフは、なるべくアレンジ前のがわかればそっちで
・自分の記憶整理のためにエントリあげておきますが、ここからちまちま修正していく予定。訂正、追記事項あったらぜひとも教えていただきたい!ここまでがんばったからできる限り完成させてみたいれす><

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【1幕】

アルパ 「     コミュニケーションツールが発達した今、顔も知らない相手同士が会話をしたりメールしたりするのが当たり前になってきました。場合によっては出会い系なんとか、だったりね!     見知らぬ男女が、出逢いを求めて、新聞に自身のプロフィールを掲載する、そんな時代もありました。物語の舞台はハンガリー。ブタペストの街の片隅。小さな香水店の、ある朝から、始まります」
 
シーポス♪グッドモーニング、グッデイ
アルパ ♪爽やかな日差し 清々しい朝
シーポス♪そうだね
アルパ ♪ねえシーポス! どうかな?
シーポス♪なんだか少しだけかっこつけすぎに見える
 
アルパ 「ミス・リターだ!」
シーポス「     
アルパ 「また朝帰りだよ」
シーポス「あのふたり、 まだ付き合ってたんだ」
アルパ 「見てろ、あの新聞売り場の横でキスするだろ、そしたらミス・リターはぐるーっと回って一度家に帰ったフリしてから来るんだ」
 
イローナ♪グッドモーニング
シ&ア ♪グッデイ
イローナ♪素敵じゃないこと〜こんな素晴らしい朝
シ&ア ♪その通り!
イローナ♪こんな日に仕事するなんて 考えただけでうんざり
 
イローナ「ねえアルパ、あんたがもっと大人で、あたしのことどっかへ連れ出してくれたらいいのに」
アルパ 「大人だよ、俺!」
イローナ「じゃあ結婚してよ。…無理ね、あんたはまだ若すぎるもの」
アルパ 「すぐに追いつくよ!それに、ミス・ホーバスが言ってた。俺が2児の父親になっても、ミス・リターだけは永遠にミセス・リターになれないって!」
シーポス「あー!ミスター・コダリー」
 
コダリー ♪グッドモーニング
シ&ア&イ♪グッデイ
コダリー ♪こんな爽やかな朝 そんなあるもんじゃない
シ&ア  ♪そうかな?
コダリー ♪グッモーニングマイディア 美しいこの日にさらに君も輝くよ
イローナ ♪サンキュー・ミスター

 
コダリー「おはようイローナ。なんて綺麗なドレスなんだ」
アルパ 「昨日と同じやつだよ!」
シーポス「ミスター・ノワック!」
 
ジョージ   ♪グッドモーニング
シ&ア&イ&コ♪グッデイ
ジョージ   ♪この綺麗な空 これこそ夏の陽射しだ
シ&ア&イ&コ♪      
ジョージ   ♪朝から晩まで働き通しじゃもったいない日だよ どこかへ逃げよう
 
イローナ♪ねえ みんなでさぼったらだめ?
シーポス♪社長が来ても店は空さ
アルパ ♪ピクニックへ
コダリー♪手作りジャムを
ジョージ♪シャンパンにオードブル
 
♪こんな日は      
 
シーポス   ♪でもそれじゃクビだね
イローナ   ♪楽しみのツケがそれじゃ
シーポス   ♪やめようか
コダリー   ♪ああ、まったく
アルパ    ♪ピクニック
ジ&シ&イ&コ♪ピクニック
♪やーめた!
 
婦人1 「この店の香水使ったことある?」
婦人2 「いいのかしら?」
社長  「いいなんてもんじゃありません!うちの家内もよく言っています。『どうしてここの社の物は、こんなにも良いのでしょうか』」
婦人1 「あら、どうしてよ、ミスター・マラチェック!」
ジ&シ&ア&&コ&イ「おはようございます、ミスター・マラチェック!」
社長 「おはようさん!」
 
ジ&シ&ア&&コ&イ♪グッデイ
 
 
 
 
(♪セールス・ソング)←歌詞を思いだすことを放棄しました(…)
 
シーポス「やったぜジョージ、景気は上向きだな」
ジョージ「ああ、ラディスラフ。それより聞いてくれ、昨日また手紙が来たんだ!」
シーポス「彼女から?世の中にはいるんだな、新聞に広告を出すだけで手紙をくれる女ってさ」
ジョージ「      
シーポス「今日はどんなことが書いてあるのさ?」
ジョージ「もう最高!」
シーポス「彼女、写真入れてきたか?名前わかったか?いつ会うんだよ?」
ジョージ「まあ聞いてくれ。『       私書箱1433のキーを。そうしたら、ああ、いました、あなたが!私は震える指であなたを取り出し、封を開けて、読んだのです。』」
社長  「ミスター・シーポス」
シーポス「はい、社長」
社長  「すまんが胃の薬を少し分けてもらえるか」
シーポス「はい、社長」
社長  「どうしてわたしが       わかるか?」
シーポス「いいえ、社長」
社長  「おまえだ!おまえがうちに来る度、家内はおまえを太らせようとして、シェフにミートボールやクリームソースのこてっりの料理を作らせる。おかげでこのざまだ。おまえは相変わらず痩せたままだが、私は胸やけだ」
ジョージ「すみません」
社長  「ジョージ、独り身のアパート暮らしも飽きたろう。そろそろ身を固めたらどうだ。ダンスホール通いもいいかげんにしろ」
ジョージ「ダンスホールなんてもう何年も行ってませんよ」
社長  「嘘を吐け。独り者の暮らしはよくわかってる。私だって独り者だった時代があるんだ」
 
♪若く 強く 輝いてたあのころ
 かわいい娘を彼女にして
 足どり軽やか 息もぴったり
 1・2・3 1・2・3
 踊ってた 寄り添いながら
 夜が 明けるのも ふたり忘れて
 踊る若き日 あのころ

 
社長  「ちょうどいい!ミス・リター、ジョージと踊ってやってくれ」
ジョージ「いやあ、まいったよ」
シーポス「リラックス!スマイル!」
 
♪夜が 明けるのも ふたり忘れて
 踊る若き日 あのころ

 
社長  「来た来た!」
ジョージ「なんです?それ」
社長  「じゃーん!……なんだおまえたち、これは純正本革のオルゴール付きシガレットケースだぞ。今ならたったの10シリング6ペンスだ!どうだ、安いだろう」
ジョージ「      
社長  「       ミスター・コダリー!…あれ?もうシガレってる?」
コダリー「どうしたんですか、社長」
社長  「このシガレットケース、売れると思うか?」
コダリー「売れないわけありません。なにより喫煙者から音楽愛好家が生まれ、音楽愛好家から喫煙者が生まれることでしょう」
社長  「よく言った、ミスター・コダリー」
ジョージ「      
社長  「おまえ今日は機嫌が悪いな。賭けをしよう、ジョージ。今から1時間以内にこれが1個売れる。10シリング6ペンス賭けるぞ。どうだ?」
ジョージ「社長から金を取りたくないな」
社長  「むかつく。さては怖気づいたな。どうだジョージ、賭けるか?」
ジョージ「賭けます!」
 
♪払ってもらおう 耳をそろえ
 払ってもらおう 耳をそろえ
 払ってもらおう 耳をそろえ
 
社長  「いらっしゃいませ、お客様。どうです、いい音色でしょう」
婦人3 「       、7.4が一番大きいサイズ?それとももっと大きいのある?」
社長  「えーと、9.6もございますね」
婦人3 「見せてちょうだい」
社長  「はい。ところでお客様、この蝶つがいは、」
婦人3 「       の1オンス瓶はある?」
社長  「1オンス…ございますとも。ミスター・シーポス!君のお客さんだ」
シーポス「こちらへどうぞ」
婦人4 「いただいたコールドクリーム、これじゃあすっぱくってサワークリーム!返品するわ!」
社長  「ミスター・コダリー!お客様だ!」
コダリー「…こちらへどうぞ」
ジョージ「いらっしゃいませ。本日は何をお探しで?」
アマリア「ミスター・マラチェックはいらっしゃる?」
ジョージ「      
アマリア「      
 
(ここのやりとり&キャンディボックスのくだりは思いだすことを放棄しました(…)また後日、元気がある時にやります)
 
 
 
 
(♪3通の手紙 夏)
 
アルパ 「おはよう、ミス・リター!」
イローナ「おはよう、アルパ」
アルパ 「言っとくけど、俺、大人だからね!」
イローナ「え?」
アルパ 「それより、ほら、秋だ!」
コダリー「やあイローナ。今日は10月の1日、秋の始まりだ。昨日のこと、まだ怒ってる?喧嘩はやだよ、許してくれよ」
イローナ「知らない」
社長  「なんでこの道はいつもこんなに落ち葉だらけなんだ!」
ジョージ「あの…社長!」
 
(♪3通の手紙 秋)
 
アマリア「おはようございます、ミスター・ノワック」
ジョージ「おはようミス・バラッシュ。今日は遅刻しなかったね、おめでとう」
アマリア「ごめんなさいね、期待に添えなくて」
ジョージ「とんでもない。呆れてるんだ!」
アマリア「もう!」
シーポス「おはよう、アルパ!」
アルパ 「おはよう!ねえ、あのふたり、会うと喧嘩だ。どうしてかな?」
シーポス「単純な化学反応さ。ふたりの人間がお互いを好きあってるっていう」
アルパ 「好きあってる?」
シーポス「俺はそう睨んだ」
アルパ 「なら、早くそう教えてあげたほうがいいんじゃないかな?」
シーポス「若いなー、アルパ」
アルパ 「大人だよ、俺!」
シーポス「言ったって信じっこないよ」
 
(♪3通の手紙 冬)
 
アマリア「遅刻だわ!おはよう、みんな!ミスター・ノワックは?」
イローナ「倉庫にいるわ。まあ、全部おニューじゃない!靴もカチューシャも!」
アマリア「頭からつま先まで全部ね!よくあたしだとわかったわね。今日は支度に3時間もかかったの。だからこんなに遅刻したの。…ねえ、あたし、大丈夫?」
イローナ「      
シーポス「全然大丈夫だよ!すごくきれいだよ!」
アルパ 「すっごくかわいいよ!似合ってる似合ってる!」
コダリー「ミス・バラッシュは好きな男がいるんだ。今夜はそいつとデートなんだろ?」
シーポス「なんでわかんだよ」
イローナ「ミスター・コダリーは恋愛のプロなの。すごいでしょ。一度も女を愛したことなんかないくせに」
ジョージ「おはよう、ミス・バラッシュ」
アマリア「あたしのこと怒鳴らないわ!具合が悪いのかしら?」
イローナ「それどころじゃないのよ。社長のご機嫌が悪くて」
アマリア「また!?」
イローナ「それで八つ当たりされるの、だーれだ?」
アマリア「やだぁ」
社長  「ミスター・ノワック」
ジョージ「はい、社長」
社長  「これを見たまえ。なんだかわかるか?」
ジョージ「はい。モナリザコールドクリームのチューブです」
社長  「使ってみろ」
ジョージ「はい。…おしりから出てます!」
社長  「モナリザのチューブにクリームを詰めるのが      
ジョージ「      
社長  「それともチューブが悪いのか?欠陥品なのか?」
ジョージ「いいえ、そうは思いません」
社長  「じゃあクリームが正しい口のほうから出て当然なんだな?」
ジョージ「はい、当然です」
社長  「よくわかった」
シーポス「ジョージ、おいジョージ、スーツにまだモナリザが付いてるぞ」
ジョージ「ああ、ありがとうラディスラフ」
シーポス「どうしたんだ、そわそわと。震えてるじゃないか」
ジョージ「新しいスーツだからな。初めて会社に着てきたのに…ミス・バラッシュに手伝わせた俺が馬鹿だった!くそ!」
シーポス「どうした?今日何かあるの?」
ジョージ「一大事だ!彼女と今夜会うんだ!」
シーポス「やったな!ついにご対面か!いやあ、期待通りだといいがな」
ジョージ「いや、期待どおりじゃなければいいと思ってるんだ。俺が思ってるより綺麗じゃなけりゃいい、頭が良くなけりゃいいって」
シーポス「どうして?」
ジョージ「       、俺はパッとしない店の、パッとしない店員だ。それに、手紙に並べた嘘八百
シーポス「嘘吐いたのか?」
ジョージ「いや…若干大袈裟に書いた」
シーポス「なんだ、だから震えてるんだ」
 
(♪今夜8時に)
 
 
 
 
イローナ「私クリスマスプレゼント包むのだーいすき」
アマリア「本当、気分転換になって楽しい。先月なんて、モナリザのチューブにクリーム詰める仕事ばっかりなんだもの」
イローナ「まあまあ、あなたはどこかの素敵な独身男性に恋してるのよ。すぐにこんなのとはおさらばよ。ねえ、彼、どんな人?」
アマリア「え?」
イローナ「彼のことぜーんぶ教えて。私、恋の悩み好きー」
アマリア「ああ…うんうん」
イローナ「背は高い?」
アマリア「まあ…そこそこ?」
イローナ「180そこそこ? 170そこそこ?」
アマリア「測ったことないわよ」
イローナ「髪は?」
アマリア「ウェービー…かな?ストレートでもなく、パンチでもなく…ないかもしれないし」
イローナ「じゃあ、鼻は?」
アマリア「高いような、低いような…」
イローナ「団子のような?」
アマリア「そうそう、そんな感じ」
イローナ「彼…ハンサム?」
アマリア「ハンサムな時もあるし、ハンサムじゃない時もあるわ」
イローナ「1つだけ忠告しておくわ。人ごみで彼とはぐれないようにね」
アマリア「あら、私のこと疑ってるの?……実を言うとねイローナ、私、彼に会ったことないの」
イローナ「会ったことない?」
アマリア「だから、彼がどんな顔なのかわからないの。ちびか、痩せか、…ううん、名前すら」
イローナ「じゃあ、ブラインドデートのためにこんなに大騒ぎしてるの?あんた、私より悲惨だわ」
アマリア「そうじゃないわイローナ!彼のことはよく知ってるの」
イローナ「どうして?」
アマリア「手紙よ。たくさんの手紙」
イローナ「あんた、まさか『孤独な独身者・出会いの会』にでも入ってるの?」
アマリア「そういうのはやったことないの。新聞で広告を見たのよ」
イローナ「ああ…『当方、若い男。求む、若い女』『当方、若い女。求む、若くて背が高くて、できれば金持ちの男』」
アマリア「そんなところまで見てないわよ。ただ、彼の広告が目にとまったの」
 
(♪彼の名は知らない)
 
アマリア「彼のことは本当によくわかってるのイローナ!とっても高学歴で、成功した人だって。      で、とっても      な話し方をする人だって。ほら、彼についてこんなによく知ってるわ!ただ、会ったことがないだけなのよ」
 
(♪彼の名は知らない)
 
 
 
 
社長  「ミスター・ノワック」
ジョージ「はい、社長」
社長  「さっきの話の続きだがな、クリスマスの飾りつけはどうなってる?」
ジョージ「まだ飾り付けはしてないんです。今日明日にもご相談しようと思ってました」
社長  「いいかげんにしろ!子どもじゃあるまいし、そんなことでいちいち私の手を煩わせるな!従、」
シーポス「いらっしゃいませ奥様、こちらへどうぞ」
社長  「従業員全員に伝えろ。今日は全員、飾り付けが終わるまで店に残るように。以上だ」
ジョージ「よくわかりました。でも、僕は駄目なんです!」
社長  「なんだと?」
ジョージ「先約があるんです!」
社長  「先約?」
ジョージ「明日の夜なら!」
社長  「よーくわかった。君なしでも立派に会社はやっていける」
ジョージ「      
社長  「私の店で大声を出すな!」 シーポス「あー!」
社長  「ドジ!」
 
♪サンキュー マダム またどうぞ
 またどうぞ マダム
 
コダリー「どけ。好きでこんな格好してんじゃねえ」
ジョージ「わざとやってくれたんだな」
シーポス「ああ。喧嘩を止めようとしたんだ。おまえが変なこと言わないように。辞めるとか」
ジョージ「      
シーポス「俺はドジさ。でも、ちゃんと職を持ってるドジなんだ」
 
♪ドジと呼ぶがいい モットーは逆らうな
 プライドは飲み込んだ 心奥深く
 お辞儀と笑顔が全てさ 自惚れはない
 はいお客様 おっしゃる通り
 黒は白で ちょっとお待ちを
 何故こんなに穏やかで 落ち着いていられる?
 そのわけの説明を聞きたいなら
 それは それは ハンガリーの掟にある
 
 「俺は、ただの香水屋の店員さ。店は街の中のひとつ。街は国の中のひとつ。
  国は大陸の中のひとつ。その大陸は星の中のひとつ。
  星は太陽系の中、無限の宇宙で輝いている銀河系にある。
  だから、そんな小さな店の小さなマラチェックが、
  俺にどんなに喚こうと、それがどーした!!」
 
♪そう ドジと呼ぶがいい 「はい立って」
 モットーは逆らうな 「見て」
 心の持ち方ひとつで争いはない
 心の持ち方ひとつで胃薬はいる
 言わせてもらうならば 腰抜けだよ俺は
 親父おふくろ養う俺の言葉は 失業するな
 
シーポス「楽にしていい」
ジョージ「わかったよ、ラディスラフ」
 
 
 
(この間に何かシーンがあったような…ってジョージが辞めるくだりですね><まるっと思いだせない…)
 
 
 
イローナ「ねえラディスラフ、そっちにつららの箱ある?」
シーポス「ないみたい」
イローナ「ミスター・コダリーにあるかどうか訊いてくれる?」 
シーポス「ミス・リターがつららの箱があるかどうかって!」
コダリー「つらら?…おい、言ってくれ。俺はここ最近つらら並の冷たさを味わってますってな。あーあ、男はつららいよ」
シーポス「彼が言うに」
イローナ「聞こえたわ。だから我慢できなくて笑ってるの」
コダリー「なあシーポス、こんな女をどう思う?男に「好きだ」と言っておきながら、それを棒に振る女」
イローナ「答える前にラディスラフ、こんな男をどう思う?一週間ちょっとのうちに、3回もデートをキャンセルする男」
コダリー「一週間ちょっと?」
イローナ「8日でしょ?」
コダリー「3回も?」
イローナ「そうよ」
コダリー「悪かったイローナ、俺が悪かった。そうだ、今夜ラスケラーへ行こう!ラスケラーはいつだって好きじゃないか。       、ルンバのバンド!」
 
(♪イローナ)
 
アルパ  ♪飾ってやりたいよ まったくあいつをツリーに
シーポス ♪きつねとにわとりが またもや仲直りだ
 
(♪イローナ)

 
イローナ「あんたってほんと恥知らず!いいわ。でもお金はたっぷり持っていってね、おなかぺこぺこなんだから。それとも、また割り勘?いつものように」
コダリー「そんなわけないさ」
社長  「みんな、もう帰っていいぞ」
シーポス「でも、まだ仕事が片付いていません。自分のことを言わせてもらいますと社長、少しくらい遅くなってもかまいません。ノッてきちゃったんですよ」
社長  「いや、みんななるべく早く出てってくれ。おつかれさま」
シーポス「おやすみなさい社長!」
イローナ「すごい、まだ9時前よ!」
コダリー「9時前?」
シーポス「アルパ!」
アルパ 「え?」
シーポス「良い知らせだ」
アルパ 「え?」
シーポス「社長がもう帰っていいってさ」
アルパ 「うん!」
シーポス「帰るぞ」
アルパ 「あ、ミス・リター!おしあわせに!」
イローナ「もう準備できたのね。ちょっと待ってて」
コダリー「あー、イローナ!結局、君をラスケラーに連れていってあげることは、できなくなっちゃったんだ」
イローナ「ええ!?」
コダリー「落ち着いて、座って。いや、今日は遅くまで残業だと思ってたからさ、前に入ってた予約キャンセルしちゃったんだ。でもこんなに早く終わったら行かざるをえないじゃない?あ、仕事だよ、仕事!そうだ、ラスケラーには近いうち行こう。いつがいいかな。…あ、私こんな者です。って違うね、そうじゃないよね。えーと、今日は火曜だから…来週の月曜、月曜日なんてどうだい?イローナ」
 
♪いいわ もうやめにする そうよ ゲームは終わり
 愚かな女はもう嫌よ 彼の犠牲にはならない
 二度と信じないのよ       
 あたしが間違っていたわ 何もかもがジョークだわ
 あたしの獲物は いつもドブネズミ
 遊びもやめるわ 馬鹿を見るだけよ
 いいわ 見てて 生まれ変わるの 今

 
 
 
 
ジョージ「ラディスラフ!」
シーポス「ジョージ!どうしたんだ、こんなとこで。おまえ、飲んでるな?」
ジョージ「ああ、少しだけな。それより頼みがあるんだ。カフェ・インペリアルまで一緒に行ってくれないか」
シーポス「カフェ・インぺリアル?」
ジョージ「そこで彼女と待ち合わせしてるんだ。彼女は薔薇を挟んだアンナ・カレーニナをテーブルに置いて、そして俺は同じ薔薇の花をさす。ここに」
シーポス「ロマンティックな絵だなー!いやあ実にロマンティックだ!…ただな」
ジョージ「ただ?」
シーポス「どうして俺がそこに呼ばれるの?」
ジョージ「この手紙を彼女に渡してほしいんだ。この手紙には『俺急に出張になってしまったけれど、また必ず手紙を書く』と書いてある」
シーポス「彼女、がっかりしないかな?」
ジョージ「今夜のこんな俺の姿を見たら、彼女もっとがっかりするさ!」
シーポス「でもなあ」
ジョージ「お願いだラディスラフ!」
シーポス「…わかったよ」
ジョージ「ありがとう!本当、恩にきるよ!」
 
 
 
 
社長  「ミスター・ケーラ?ミスター・ケーラか?」
ケーラ 「ミスター・マラチェック」
社長  「入ってくれ」
ケーラ 「こちらでよろしいんで?」
社長  「みんなは帰した」
ケーラ 「       、ずっと奥様を尾行してまいりました。その結果、確かに奥様は店員のひとりと深い関係にあります。この手紙の密告通り」
社長  「誰なんだ、その手紙をよこしたのは」
ケーラ 「それはわかりません。匿名の手紙というのは割り出すのが難しいんですよ。ただ、内容はチェックしまして、      
社長  「ちゃんとわかってたんだ。ただ、確かめたかった」
ケーラ 「奥様はコート街17番地にある彼のアパートに通っています。その都度記録しておきました。ミスター・コダリー、彼の調査もご希望ですか?」
社長  「…だれ?」
ケーラ 「スティーブン・コダリー。浮気相手の名前です」
社長  「ええ、そんな!」
ケーラ 「コート街17番地2階6号室、ベランダで鳩を飼っています」
社長  「彼はうちのやつをよく知らんはずだ。もう一人店員がいてな、よくうちに来てたやつ。だから私はてっきり」
ケーラ 「報告書をご覧ください」
社長  「ああ、どうも」
ケーラ 「他にご用件は?」
社長  「…ああ、いいよ、ありがとう」
ケーラ 「では、私はこれで。I’ll be back.」
社長  「…ああ、私だ。今夜は遅くなるんだな、うん、わかった。…いいや、待ってないで先に寝てるよ。…うん。…今日会う彼女によろしくな。…私もだ。バイバイ」
アルパ 「社長?…社長!やめて!」
 
 
 
 
♪気をつけろ とんまな奴はクビにする
 
オーナー「いらっしゃいませ、ムッシュブラームス。いらっしゃいませ、マダム」
 
♪このカフェのムードは最高 ロマンティック
 
オーナー「      
ウエイターA「店長!またあの客がやってきました!」
オーナー「またうちの女性客目当てにやってきたな。追い出せ!」
ウエイターA「お引き取りください!」
ウエイターBCDE「お引き取りください」
ウエイターB「前方に容疑者確認!」
ウエイターC「裁判員制度開始!」
ウエイターD「裁きます!」
ウエイターA「裁判長!!」
 
♪あんな客は許されない でもたまにはいる いつだって
 だからこのロマンティックな雰囲気 護る

 
 
 
 
シーポス「薔薇は?」
ジョージ「え?」
シーポス「薔薇だよ。どこだ。…それが薔薇?」
ジョージ「1日中ポケットの中だったんだ」
シーポス「貸せよ」
ジョージ「いや、」
シーポス「今更なに言ってんだ」
ジョージ「彼女には手紙だけ渡してくれ」
シーポス「待った。その前に、彼女がどんな子か見てこいよ」
ジョージ「おまえ行ってきてくれ」
シーポス「!」
ジョージ「…年増だな?年増でブサイクで歯がない!そうだろ!?」
シーポス「いや、そうじゃないな。どうして?」
ジョージ「おまえの顔にそう書いてある」
シーポス「いや、それどころかなかなかの美人だ」
ジョージ「本当か?」
シーポス「本当だ」
ジョージ「      
シーポス「いや、それは好みの問題だからなー。それより、誰かに似てるんだよな」
ジョージ「誰!?映画スター?」
シーポス「いや、そういうんじゃないな。似てるも何も、あれは店の誰かさんにそっくりだ」
ジョージ「店の?」
シーポス「そう。あれはミス・バラッシュにそっくりだ!」
ジョージ「ミス・バラッシュ!アマリア・バラッシュ!でもおまえ今美人だって言ったじゃないか!」
シーポス「俺はそう思うよ。でも、おまえがミス・バラッシュを好きじゃないんだとしたら、あの子のことも気に入らないかもな」
ジョージ「そんなに似てるのか!」
シーポス「行って確かめてこいよ」
ジョージ「!」
シーポス「ああやってひとりでほったらかしにするのか?」
ジョージ「じゃあどうしろって言うんだ!俺があの手紙を書いた本人だって言えってのか?街中の笑いものにされる!」
シーポス「どうして?」
ジョージ「しーっ!」
シーポス「彼女が手紙を書いてよこしたんだろう。あなたを箱から取り出しました。封を切ってあなたを出しました〜なんとかさ」
ジョージ「そんなはずはない」
シーポス「どうして?」
ジョージ「いや、彼女が書けるわけない!」
オーナー「お二人様ですか?」
ジ&シ 「しーっ!」
シーポス「じゃあ、彼女はたまたまここで人を待ってるのか?たまたま薔薇の花を本のしおり代わりに使ってるのか?真冬の12月に!」
ジョージ「      
シーポス「だったら話しかけてみろよ。わかるから」
ジョージ「やあ、ミス・バラッシュ」
アマリア「ミスター・ノワック!」
ジョージ「奇遇だな、こんなところで」
アマリア「あなたこそ」
ジョージ「誰かと待ち合わせ?」
アマリア「ええ、まあ」
ジョージ「誰か決まったひと?」
アマリア「ええ、そうよ。あなた、あたしをどんな女だと思ってるのよ」
ジョージ「ちょっと腰掛けてもいいかな?」
アマリア「だめ!…だと思うわ」
ジョージ「      
アマリア「      
ジョージ「レディを待たせるなんてけしからんやつだな。   」
アマリア「あなたに言われたくないわ」
ジョージ「これなんて曲だっけ?」
アマリア「曲とか…曲とかどーでもいい…!」
ジョージ「思い出した、これは“哀しきタンゴ”って曲だ。昔、母がよく歌ってた」
アマリア「私の母も」
ジョージ「そうか、ミス・バラッシュ。僕たちには共通点があったんだ。ふたりとも昔はこどもだったんだよ」
アマリア「でも成長しちゃったわ」
ジョージ「なにこれ」
アマリア「ちょっと!」
ジョージ「本?」
アマリア「そうよ!トルストイの、ロシア人の!さあ返してちょうだい!」
ジョージ「もしかして君、待ち合わせの相手に会ったことないんじゃない?」
アマリア「ばばば、ばかばかしい」
ジョージ「そう!ばかばかしい!       そうだ、俺の友達にこんな子がいたよ、彼女、『孤独な独身者の集いの会』に入っていたんだ。そこで出会ったある男に手紙を出すことにした。暫く文通して、ふたりは会うことにした。目印に、彼女は本に花を挟んで、彼は同じ花をボタンホールにさすことにした。そして、ふたりは当の相手だとわかったんだろうな。だがあくる日、警察は彼女の左腕がドナウ川の鎖橋の下に浮いているのを発見した。しかし、彼女のバラバラ死体の他の部分は、遂に発見できなかった。本もね」
 
♪5つ数えたら声をあげるわ 「1つ」
 
ジョージ「君と話がしたいだけさ」
 
♪ワインも少し飲んで酔っているの 「2つ」
 
ジョージ「ミス・バラッシュ、クスリでも飲んでるのか?」
 
♪ダンテが言う その地獄 できるなら 味わって 「3つ」
 
ジョージ「ミス・バラッシュ!」
 
♪なんて無神経な男なんでしょう
 
ジョージ「知ってるくせに」
 
♪命がけなの 「4つ」
 
ジョージ「危ないな!」
 
♪だめよ限界 行って!
 
オーナー「お客様!」
 
♪私を愚弄しようというのか 出ていけ 今すぐ 出ていけ!
 
ジョージ「レディに向かってなんだその口のきき方は!」
オーナー「レディがカフェのまんまんなかで金切り声をあげたりしますでしょうか!」
ジョージ「君は勘違いをしているんだ!ワインに、蝿が浮いていたんだ」
オーナー&アマリア「えっ!?」
ジョージ「ワインに、蠅だ」
オーナー「どこ?どこ?」
ジョージ「どこ?…ご婦人が飲んでしまわれた」
アマリア「ちょっと!やめなさいよ」
オーナー「蝿がワインを飲んでいたんじゃないんですか?」
ジョージ「馬鹿な。それに君だって、さっきの歌の最後で金切り声で歌っていたじゃないか」
オーナー「さて、そうでしたかな」
男性客2「ウエイター!」
オーナー「はい、ただいま!…いてっ、なんだこのバカ椅子」
アマリア「ミスター・ノワック、あなたがどんなにあたしを軽蔑していたとしても、ひどく落ち込んでいたとしても、もう充分復讐したでしょう?あなたって人が理解できないわ」
ジョージ「       君は今まで、僕の顔さえ、まともに見たことがない」
アマリア「とんでもない!今こうしてちゃんと見てるじゃない!そして、何が見えるか言いましょうか?見えるのは、意地っ張りで横柄な暴君、自信たっぷりの野心家!あなた、自分の将来のこと考えたことある?10年先、チューブ入りのクリーム売ってんでしょ?20年先、チューブ入りのクリーム売ってる。30年先、チューブ入りのクリーム売ってる。おまけに中身は何にもない、使いきったチューブみたいな男になってるわよ!……ミスター・ノワック?今の本気じゃなかったの?ミスター・ノワック!」
オーナー「お客様、大変申しかねますが、間もなく閉店時間でございます」
アマリア「閉店時間?でも、あたしまだ人を待ってるのに」
オーナー「恐れながらお客様、どれくらい待たされておいでで?」
アマリア「…2時間」
オーナー「それはまたずいぶんと辛抱強い」
アマリア「その人をずっと待ち続けてきたのよ。2時間くらい、なんてことないわ」
オーナー「万事、首尾よくいくといいですよね」
アマリア「ありがとう。…ねえ、ここは本当にいいカフェだわ」
オーナー「手前どもは、ロマンティックな雰囲気をモットーとしております」
 
♪額の中の乙女たち 恋人はいるのかしら?
 素敵な人とダンスをすることはあるの?
 チャーミング ロマンティック 素敵なカフェ
 耳をくすぐる あのバイオリンの音に
 あなたと 聴きたいの お願い あなた
 街行く人は言うわ ごらんなさい 可哀想なあの子を
 「平気」と笑顔を見せるのが辛い
 お願い 待ってるわ 手紙のあなた

 
オーナー「恐れ入りますがお客様、閉店時間でございます」
アマリア「もう?」
オーナー「お友達、みえませんでしたね」
アマリア「きっと、何か理由があったのよ」
オーナー「では、そのわけを手紙で教えてくれるでしょう。そして、仲直り。必ずうまくいきますよ。…あら、」
アマリア「ねえ、教えていただける?こういった待ち合わせを何度も見てきたでしょう?若い女が待っているところへ若い男がやってきて彼女を見、そして声もかけずに立ち去ってしまう…そんなことってあるの?」
オーナー「ええ、たまにはね。お座りください。そう、時には、女が男を見、そしてそこから立ち去ってしまう…永遠に」
アマリア「なんて悲しいの」
オーナー「お客様は心配ないよ。どこからどう見ても立派なレディだ。見事ミス・コンテストに優勝…とまではいかないけれども、少なくとも、ミス・カフェ・インペリアルでは優勝間違いなしだと思うね。もう一度、自分のことをよくごらんになってくださいまし。…あ、せがれです」
アマリア「あ、はじめまして。…あの、これ」
オーナー「私からのサービスです」
アマリア「でも!」
オーナー「当店では、素敵なお客様にはいつまでいていただいてもかまいません」

 
♪「平気」と笑顔を見せるのが辛い
 お願い 待ってるわ 手紙のあなた








【1幕・終】





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長いので分けます。2幕はこちら。
 
 
 
今のあたしにはこれが限界です!><絶対いろいろ間違ってる!社長とミスター・ケーラのくだりは、セリフの順番が本気でわからなかったです…。間違いの指摘を全力でお待ちしてます!

*1:「読書家」とまでは恐れ多くて言えません